ASCII Power Review 第289回
バッテリーで21時間23分動きました
ビジネスマンの絶大な味方Let'sの新モデルは12.4型で919g=「レッツノート SC」実機レビュー
2025年06月30日 09時00分更新
Let's noteと言えばビジネスモバイルとして強い支持を集めている人気シリーズだ。
軽量、頑丈、長時間というコンセプトで初代機が1996年6月に発売されてから、今年で29年。初代機のコンセプトをぶれずに継承しつつ、進化を続けてきている。
今回レビューする「レッツノート SC」は、12.4型ディスプレーを搭載したクラムシェルモデル。約919gという軽量性、「100kgf加圧振動試験」をクリアした頑丈さ、そして動画再生時で約12.7時間という長時間駆動を実現する。
もちろん、「インテル Core Ultra 200U/H」という最新プロセッサーを採用。最新技術で組み上げられたビジネスモバイルマシンに仕上げられている。
今回、パナソニックから試用機を借りたので、Let's noteシリーズならではの魅力にスポットを当てて、レビューをお届けしよう。
安価に購入したいなら量販店
妥協ないスペックを選びたいのなら直販サイトだ
「レッツノート SC」はOSに「Windows 11 Pro」、プロセッサーに「Core Ultra 5 225U」/「Core Ultra 7 255H」を採用。メモリーは16GB/32GB/64GB(LPDDR5X)、ストレージは512GB/1TB/2TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)から選択できる。
ディスプレーは12.4型フルHD+液晶(1920×1280ドット、3:2、アンチグレア)を装備。オーティオ機能はステレオスピーカー(ボックス型)、アレイマイクを搭載。ディスプレー上部には、Windows Hello顔認証対応、プライバシーシャッター装備のフルHD(1920×1080ドット/30fps、約207万画素)ウェブカメラを内蔵している。
インターフェースは、Thunderbolt 4(USB Power Delivery、DisplayPort Alternate Mode 対応)×2、USB Type-A(5Gbps)×2、HDMI(4K 144Hz対応)、有線LAN(1000BASE-T)、3.5mmコンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3をサポート。ワイヤレスWANは「なし」/LTE/5Gから選択できる。
本体サイズは約273.2×208.9×19.9mm、重量は約919~949g。4772mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は動画再生時で約12.7時間、アイドル時で約34.6時間と謳われている。充電時間は最大2.5時間だ。
標準構成としては下記の3モデルを用意。カスタマイズモデルのほうはメモリー、ストレージをより大容量を選べ、ワイヤレスWANも装備できる。天板、ホイールパッド、キーボードのカラーも自由に組み合わせ可能だ。できるだけに安価に購入したいのなら家電量販店、妥協ないスペックを選びたいのなら直販サイトのカスタマイズモデルがオススメだ。
・「CF-SC6ADTCR」(実売価格26万8000円前後)
Core Ultra 5 225U/RAM16GB/SSD512GB/Officeなし
・「CF-SC6ADMCR」(実売価格30万3000円)
Core Ultra 5 225U/RAM16GB/SSD512GB/Officeあり
・「CF-SC6BDPCR」(実売価格37万6000円)
Core Ultra 7 255H/RAM32GB/SSD1TB/Officeあり

本体天面はフラット。MIL-STD-810H準拠のテストに加えて、実際の利用シーンを想定した「100kgf加圧振動試験」、「キーボード打鍵耐久評価試験」、「LCD開閉耐久評価試験」などの独自試験が実施されている
Let's note独自の魅力的なポインティングデバイス
培われた独自アプリも大きな魅力だ
初代機から綿々と受け継がれているLet's noteならではの意匠と言えば、円形のホイールパッドだ。
円を描くように指を滑らせることで、ウェブページや書類を直感的にスクロールできる。また左右クリックが物理ボタンなので、手探りでも確実に操作可能だ。
正直ちょっと慣れが必要だし、ピンチインアウト操作にはやや狭く感じることもあるが、ほかのノートPCにはないLet's note独自の魅力的なポインティングデバイスだ。
「レッツノート SC」が採用している「インテル Core Ultraプロセッサー(シリーズ 2)」はNPUを搭載しているが、「Core Ultra 5 225U」は最大12TOPS、「Core Ultra 7 255H」は最大13TOPSと、「Copilot+ PC」の要件を満たしていない。
だが、AIノイズ除去機能を利用できたり、「Adobe Lightroom Classic」などのAI対応アプリでNPUを利用可能だ。ソフトウェアアップデートユーティリティー「Panasonic PC Work」や、各種設定ツール「Panasonic PC Hub」などもプリインストールされている。
独自ソフトウェアの充実は、長い歴史を誇るLet's noteシリーズならではの長所だ。
高負荷な作業にも対応する高速ストレージ
バッテリーはさすがの21時間23分駆動だ!!
最後にパフォーマンスをチェックしよう。試用機のスペックはCore Ultra 7 255H/メモリー32GB/ストレージ1TBだ。
比較対象機種としては、同じく「Core Ultra 7 255H」を搭載する「ASUS Zenbook 14 OLED (UX3405)」、「Core Ultra 7 155H」と「GeForce RTX 4060」を搭載する「AORUS 15 (2024)」、「Core Ultra 7 268V」を搭載する「ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition」を採用した。
まずCPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は14959pts、CPU(Single Core)は14959pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は800pts、CPU(Single Core)は123ptsとなった。

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