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改めて知る「Zoom」の真価。“知ってる”から、“会社の武器”へ

Zoom活用事例:株式会社パートナープロップ

これは革命レベル。あなたは、まだまだZoomの本当の使い方を知らない

2025年06月16日 11時00分更新

文● 貝塚/ASCII

提供: ZVC JAPAN

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株式会社パートナープロップで営業を統括するVP of Sales、磐崎友玖氏

 「アライアンス(パートナー企業との協業)は、実は8割が成功しない」と言われています。

 特に、スタートアップと大企業、異業種同士の協業のように、規模や文化の異なる組織では、目的や価値観のズレ、コミュニケーション不足やガバナンスの曖昧さなどが顕在化しやすく、協業が頓挫する原因となりがちです。

 そんな課題を解決する方法として、注目されている解決策が「パートナーマーケティング」です。パートナーマーケティングは、ベンダーによる一方的な努力ではなく、パートナーによる成果創出を支える仕組みづくりを大切にするアプローチです。株式会社パートナープロップは、パートナーマーケティングを実現する日本唯一のSaaS「PartnerProp」を提供しています。

 創業当初からエンタープライズ企業・スタートアップ企業に対する導入が進む一方、同社が懸念していたのは、事業スケールの過程で起こりがちな「情報共有の断片化と属人化」。マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスなど、それぞれが独自のKPIで動くと、こうした課題は必ずといっていいほど発生します。

 そこで同社が導入したのが、Zoomのプラットフォームです。アライアンス業界の変革を導く中で、Zoomがいかに成長と成果を後押ししたのか──その詳細に迫ります。

株式会社パートナープロップがZoom導入前に抱えていた課題:営業活動の属人化が進み、情報共有がバラバラに。再現性のある仕組みがなく、提案準備やナレッジ継承にも時間がかかっていた。限られたリソースでパートナー施策を継続するために、営業活動を効率化する共通ツールが必要だった。

アライアンスで“売上構造”を変える。営業の新常識に挑むスタートアップ

 広告費用対効果の低下や、優秀な営業人材の確保の難しさ──。こうした課題が多くの企業に影響を与えるなか、「パートナーチャネル(間接販売)」に取り組むことで大きな売上創出をする企業が増えています。

 そんなパートナーチャネルで成果を生み出すために、株式会社パートナープロップが提唱するのは、パートナーの段階的な成果創出を支援する仕組みである「パートナーマーケティング」という手法です。

 同社はあらゆる企業がパートナーマーケティングを実現できるよう、クラウドシステムである「PartnerProp」を開発・提供しています。パートナー企業の発掘から育成、稼働、そして継続的な成果創出までを一貫して支援することができ、これまで属人的に進められていたパートナービジネスを、SaaSの力で再現性のある仕組みに転換できます。

 「広告費の高騰、営業人員の確保難、インバウンド獲得効率の低下といった環境変化により、従来型の手法では企業の成長に限界が見え始めています。その中で、営業リソースだけに頼らず、『信頼』と『接点』を持つパートナー企業との連携によるパートナーチャネル戦略の重要性が増しています。しかし、実際に成果を出しているパートナーは全体の2割以下という調査もあります。その背景には、属人的で非体系的な運用、KPIの不在、育成の未整備といった構造的なボトルネックがあります」

 そう語るのは、同社で営業を統括するVP of Sales、磐崎友玖氏。PartnerPropは、まさにパートナーの「育成・稼働・継続」という3つのプロセスを可視化し、支援するツールです。

 NTTデータやみずほ銀行をはじめとする大手企業でも導入が進み、プロダクトの正式リリースから約1年で累計9億円を調達。加えて、自社の売上におけるパートナーチャネル比率も54%を占めており、パートナーマーケティングの価値を実証しています。

属人化、情報分断、手戻り……スケールに耐えない営業現場の限界

 パートナープロップがプロダクト開発と並行して進めてきたのが、収益最大化を目指す部門横断の全社的な営業体制──いわゆる「RevOps(レベニューオペレーションズ)」の構築です。スケール可能な組織の“型”をつくることを目指し、部門横断的なオペレーション体制を整備しています。この思想に本格的に取り組む企業は、国内ではまだ少数派です。

 創業初期の磐崎氏は、次のような危機感を抱いていました。

「起業直後はプレイヤーが少ないため、属人的なやり方でも業務は何とか回ります。しかし売上の拡大とともに人員が増えると、徐々に非効率が目立ちはじめる。そしてその段階で初めて、“型がないこと”の代償を痛感するのです」

 同社が直面していた最大の課題のひとつが、「情報の分断」でした。営業部門が把握している顧客の課題や反応が、マーケティング、インサイドセールス、カスタマーサクセスといった他部門に十分に共有されず、その結果、判断や施策にばらつきが生じていたのです。

 チームごとに構築された業務プロセスによる「部分最適化」、情報やプロセスが共有されないことによる「ブラックボックス化」、そして成果やノウハウが個人に依存する「属人化」──。こうした課題を一気に打開するため、同社は全社的にZoom Platformを導入しました。

 具体的には、ウェビナー配信「Zoom Webinars」、受注後のオンボーディングに「Zoom Meetings」、架電業務に「Zoom Phone」、商談や各工程へのAI活用に「Zoom Revenue Accelerator」を採用。部門間連携では、顧客との合意内容を明確に可視化し、それをもとにインサイドセールスから営業、カスタマーサクセス、アライアンスへとスムーズに引き継げる仕組みを構築しました。これにより、従来のような情報の断絶を解消し、チーム全体で足並みをそろえて動けるようになったのです。

 また、提案業務の効率化においては、 Revenue Acceleratorの文字起こしデータを ChatGPT で構成案に変換し、自社フォーマットに落とし込むプロセスを確立。これにより、提案書作成のスピードと品質のばらつきを大きく改善しました。

 さらにZoom Revenue Acceleratorによって、営業活動における合意形成スコアを定量化し、担当者ごとのグラフで可視化。スコアを高めるために、担当者ごとの「クセ」までも定量的に把握できる体制を整え、営業活動のデータに基づいた人材育成を実現しています。

 RevOps体制の目的は、全体最適・可視化・標準化にあります。これを仕組みとして導入することで、ARR最大化に向けた全体最適、KPIやボトルネックの即時把握を可能にする可視化、そして誰もが同じフローで実行できる標準化が実現され、組織は着実に改良されていったのです。

 また、Zoomを中心に据えた同社のRevOps体制は、営業だけでなくマーケティングやカスタマーサクセスの業務効率も大幅に改善しました。磐崎氏はこう説明します。

 「以前は、“誰が・どこまで・何を話したか”といった業務の進捗でさえ、各人の記憶に頼るしかありませんでした。チャットツールやCRMに散在する断片的な情報をかき集めて、ようやく顧客対応ができる……そんな状態でした。一方、現在はマーケティングでは、お客様の声を即座にナレッジ化し、施策やコンテンツを最適化することができ、カスタマーサクセスでは会話ログを起点に、オンボーディングやフォロー施策を設計しています。これによって、全社で一貫した顧客体験を提供できるようになっています」

 成長しても崩れない「型のある組織」の構築には、感覚や記憶に頼ることなく、全員が同じ情報を共有し、同じ行動様式で再現性高く動ける体制が必要不可欠。Zoom Platformは、同社にとって、いまやビジネスの基盤を支える存在となっているのです。

「RevOpsはただのツール導入で実現できることではなく、組織全体を最適化する仕組み作りです。Zoomを導入することで、私たちはインサイドセールス、営業、マーケティング、カスタマーサクセスという各部門が連携し、属人的な判断や偶発的な成果に依存しない、強固な仕組みを作り上げました」

株式会社パートナープロップの導入ソリューション
Zoom Webinars
Zoom Revenue Accelerator
Zoom Phone

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