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「原発再稼働」の賛成派が急増中!安全技術の実現は待ったなし

特集
未来を変える科学技術を追え!大学発の地味推しテック

 電気代が高騰して「原発再稼働」に賛成する人が増えてきたらしい。まもなくやってくる猛暑を目前にして電力不足も心配だ。でも「南海トラフ地震が怖いし…」と心が揺らぐ。

 そもそも、なぜ原子力発電所(原発)は危ないのか。それは、原発が放射性物質を扱っているからだ。これらの物質から発せられる放射線は、人体に深刻な影響を与える可能性がある。例えば、細胞がダメージを受けたり、遺伝子が損傷を受け、健康被害が生じる危険がある。さらに、原発事故によってこれらの物質が環境中に漏れ出すと、その影響は広範囲にわたり、長期的に問題を引き起こす可能性がある。「だからこそ慎重にならざるを得ない」という声が多いのも当然だろう。

 けれども、そんなリスクを減らすための技術も進化している。そのひとつが、東京科学大発ベンチャーの株式会社GX ENERGYが開発する「フィルターベントシステム」だ。

高性能空気浄化システム「GX-CBRNE(シーバーン)360/2000」

 このフィルターシステムは、半導体の工場などで使われてきた換気技術を進化させたもの。従来は粒子状の物質しか取り除けなかったのに対し、新しいシステムでは、空気中に浮かぶ細かい粒(エアロゾル)や放射性物質も効率よく取り除けるようになっている。しかも、空気の流れを邪魔せず、少ない力でこれを実現できるのが特徴だ。この技術は経済産業省の補助事業に採択され、国内外での供給が目指されている。

 同社は他にも「免震技術」を取り入れた原発の建設工法や、小型モジュール炉(SMR)の開発も進めている。これまで放射能は「出さない」ことが前提だったが、「出ても浄化する」といった対処も選択肢にある。万が一に備えるというのは、まさにそういうことだろう。

 また同社は現在、海外の核シェルター設備向けや地下街の換気技術など、幅広い領域で事業展開を模索しているようだ。社会の安全を支える技術として、今後の挑戦に期待したい。

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