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ガンマ波サウンド搭載イヤホン「kikippa(ききっぱ)イヤホン」

脳を、耳から鍛える。製薬企業も動いた「聴く脳トレ」という新習慣

2025年04月30日 12時00分更新

文● 貝塚/ASCII

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kikippa(ききっぱ)イヤホン

 脳の活性化を目的とした“聴くトレーニング”という、全く新しいアプローチが話題を呼びそうだ。

 シオノギヘルスケアとピクシーダストテクノロジーズが手を組み、2025年5月8日、世界初をうたう「ガンマ波サウンド」搭載イヤホン「kikippa(ききっぱ)イヤホン」を発売する。

ガンマ波を日常に届ける、という挑戦

 ガンマ波とは、記憶や集中力に関与するとされる40Hz前後の脳波で、加齢によって減少することが知られている。

 「kikippa イヤホン」は、日常の“ながら時間”を“脳を鍛える時間”に変えることを目的に開発されており、音声に40Hzの振幅変調をかけることで、リスナーの脳へ“ガンマ波的な刺激”を届けることができる。これにより、運動中や通勤時、家事の合間に、認知機能をトレーニングできるというのだ。

オープンイヤー×大口径×AI連携で進化するウェアラブル体験

 オープンイヤー型の筐体には、16mmの大口径ドライバーとハイブリッド構造のダイヤフラムを搭載。量感のある低域と伸びのある高域を両立し、リスニング用途としての完成度も高い。

16mmの大口径ドライバーとハイブリッド構造のダイヤフラムを搭載している。写真は、付属の充電スタンドに設置したところ

 また、MEMSマイクを2基備えたビームフォーミング技術で、周囲の雑音を抑えつつクリアな通話が可能。専用アプリでは、脳トレAIツール「CogEvo」との連携により、認知機能の状態チェックやサウンドの強度設定なども行える。

ちょっと不思議な、クセになるような音

 視聴会で、実際にkikippaイヤホンのサウンドを聴いた。

 ガンマ波サウンドの処理をかけた音は、「ジャラジャラ」と、素早く小刻みに上下する波が付加されて聞こえる。

 ただし「メインのボーカルや旋律にあたる音には処理がかからないように設計することで、音楽としての聞きやすさも失われないようにしている(開発担当者)」とのことで、確かに、音楽として楽しめないほど、原曲が損なわれるというわけでもない。クセになるような、不思議なサウンドだ。

(装着時)右側のボタnより、ガンマ波サウンドのオン/オフを切り替えられる

 ガンマ波サウンドは本体右側のボタンでオン/オフが切り替えられ、また、アプリからエフェクトの強弱も切り替えられる。イヤホン本体に、ガンマ波サウンドを発生させるモジュールを物理的に組み込んでいるため、どのようなソースから入力しても、音にガンマ波サウンドを付加できるそうだ。

ながら時間が、脳ケアの時間に?

 スマホやSNSに囲まれた現代生活。気づけば、毎日何時間もを“ながら情報消費”に費やしている方も多いことだろう。kikippaイヤホンは、その時間をセルフケアに変える可能性を持ったアイデアだ。

ジムでの運動時のながら聴きなどにも適するだろう

 近年、ガンマ波を聴覚から“入力”することで脳にポジティブな影響を与える可能性が、国内外の研究機関で注目されている。

 kikippaイヤホンは、現時点では医療機器としての認証を取得していないため、“脳を鍛える”という表現で提供されているものの、製薬会社との共同開発というユニークなアプローチが示すように、将来的には認知機能をサポートする「新たな物理療法」へと発展していく可能性も秘めているのではないだろうか。

しっかりと固定され、オープンイヤー型としてはサウンドも非常に濃密だ

 価格は2万9700円(税込)。現在シオノギヘルスケアオンラインで予約受付を開始している。

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