先端テックニュースまとめ読み from MITテクノロジーレビュー 第205回
「新型出生前診断」普及で 染色体疾患が急増の米国/LED照明が告げる 暗い空の終わり
2022年10月17日 09時00分更新
「新型出生前診断」普及で 染色体疾患が急増の米国、 親はどう行動すべきか?

出生前の遺伝子検査が標準的な妊婦健診として普及している米国では、これから産まれてくる子どもの性染色体異常が見つかることが増えてきている。しかし性染色体異常によって、家族と子どもに何が起きるのかを正しく知らせてくれる医師は少なく、不安を与えている。
「環境にやさしい」 LED照明が告げる 暗い空の終わり

夜の街を照らす街灯として、ナトリウム照明に代えてLED照明を導入する例が増えている。消費電力が低く、自然環境に優しい選択のように見えるが、一方でLED照明が「光害」を起こしているとの指摘がある。
米バイデン政権が「AI権利章典」を発表、テック企業に説明責任

人工知能(AI)の悪影響から保護するため、バイデン大統領は5項目で構成されるAI権利章典を発表した。市民団体、テック企業の双方から歓迎の声が上がる一方、強制力を持たないため効力を疑問視する声もある。
中国テック事情:「やりすぎ」コロナ対策アプリで市民に混乱 ほか

「ゼロコロナ」政策を続ける中国で、北京市民らを対象とした新型コロナ対策アプリの過剰な機能が市民を困らせている。ほか、中国の最新のテクノロジー関連ニュースをまとめて紹介する。
「前例ない」パイプライン損傷、復旧に立ちはだかるこれだけの壁

ロシアとドイツを結ぶパイプライン「ノルドストリーム」の破裂によって、欧州はこれから迎える冬に危機感を抱いている。損傷の程度を把握してから修理に取りかかることになるが、前例のない損傷だけにいずれの方法も困難が伴う。
ユーチューブ、「低評価」でもレコメンドにほぼ影響なし

ユーチューブの人工知能(AI)が推奨する「おすすめ動画」を、ユーザーがコントロールするのはほとんど無理だということがモジラの新しい研究で分かった
理研など、巨大量子系シミュレーション用の量子回路設計法を構築

理化学研究所、キュナシス(QunaSys)、大阪大学の共同研究チームは、「リープ-ロビンソン限界(Lieb-Robinson bound)」を用いることで、量子力学に基づく大規模な物理系の時間変化(以降、「大規模な量子系のダイナミクス」)を高精度に計算する量子回路の効率の良い設計法を構築した。リープ-ロビンソン限界は、物理的に自然な仮定の下で、情報の伝播する速度限界を与える理論である。
聴くMITTR:フェイスブックは安全と信頼を取り戻せるか

今週のオーディオ・ムック(β)では、フェイスブック元社員や専門家の主張から、SNSを安全で信頼できる場所にする方法について考える。
MITテクノロジーレビューからのお知らせ

MITテクノロジーレビュー[日本版] Vol.8 脱炭素イノベーション
マサチューセッツ工科大学が発行する世界最古のテクノロジー雑誌「MITテクノロジーレビュー」による、「脱炭素イノベーション」特集号。新たな成長産業「脱炭素」「気候テック」イノベーションの最前線を追う
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、日本でもGX(グリーン・トランスフォーメーション)戦略が立ち上がり、脱炭素技術の研究開発や事業化の動きが加速している。本特集号では、先行する世界の脱炭素イノベーションの最新動向を1冊に集約。次世代太陽光電池、プラスチックのリサイクル、地熱発電、グリーンスチールなど、注目のスタートアップ企業を一挙紹介するほか、岐路に立つ日本の自動車メーカーの脱炭素戦略、再エネの普及やウクライナ情勢で複雑化するエネルギー問題についても取り上げる。
企業に新たな利益を生み出す脱炭素ビジネスの「今」が見える1冊です。

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