冬季五輪が開催されている韓国。外国人渡航客用のプリペイドSIMが数社から販売されていますが、価格はあまり安いものではありませんでした。コンビニなどで販売されているMVNOの「KT M Mobile」のプリペイドSIMは1GBで34000ウォン(約3400円)、2GBで49000ウォン(約4940円)。数日の滞在なら日本の大手キャリアのローミングサービスを使ったほうが安上がりかもしれません。
ところが五輪開催に合わせたのか、データが定額で使え料金も安いプリペイドSIMが発売されました。しかも販売しているのは大手キャリアの「LG U+」。韓国では3キャリアのうちのシェア3位ですが、全国にLTEネットワークを構築しており、回線品質は問題ありません。
LG U+のプリペイドSIMが販売されているのは仁川国際空港の同社カウンター。仁川国際空港は2017年1月18日に新しくターミナル2がオープンしましたが、ターミナル1と合わせ、どちらのLG U+のカウンターでもプリペイドSIMが販売されていました。
料金体系は4つあり、価格はリーズナブル。いずれもデータ通信は定額です。
- 5日間:27500ウォン(約2720円、1日約540円)
- 10日間:38500ウォン(約3810円、1日約380円)
- 20日間:60500ウォン(約5980円、1日約300円)
- 30日間:71500ウォン(約7070円、1日約240円)
日本の大手キャリアの1日データローミングはキャンペーンで1000円程度ですから、5日用を3日間しか使わなくても十分安いですね。30日用なら1日当たりわずか240円と格安になります。
ただし、対応端末が限定されているので注意が必要です。SIMフリー機であることはもちろんですが、メーカーはLGまたはアップルしか利用できません。他社のスマートフォンの場合は、おそらくIMEI番号でメーカー名が判別され、利用できないのです。日本からの渡航を考えると、実質的にはiPhoneしか使えないと考えていいでしょう。
SIMの購入は簡単で、パスポートを提示の上でクレジットカードで支払います。SIMの受け取りと同時に契約書をもらいますが、SIMは使い切りで返却の必要はありません。端末へのSIMのセットもカウンターのスタッフが行なってくれます。
SIMを入れるとすぐにデータ通信を開始してくれました。通信速度はソウル駅近辺で計ったところ下り70Mbps程度、上り15Mbps程度でした。テザリングもできるので複数台のスマートフォンやタブレット、ノートPCなどからも利用できます。
なおLG U+が採用するLTEのバンドは以下の通り。
- Band 1(2.1GHz)
- Band 5(850Mz)
- Band 7(2.6GHz)
今回は香港版のiPhone 7でテストしましたが、日本発売のiPhone Xなどは上記バンドに対応しているので、LG U+のプリペイドSIMも問題なく利用できるでしょう。日本でもこれくらい安いインバウンド客向けのプリペイドSIMが発売されるといいですね。
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