Corollaryを買収した同名の会社が
2つある不思議な事態に
Profusionチップセットが正式に発表されたのは1996年8月のことで、同年11月にはインテルと日立、Samsung Electronicsがライセンス供給の契約を結んだことと、日立及びSamsung Electronicsがこれを利用したシステムをリリースすることを明らかにしている。
これに続きData GeneralやCompaq ComputerもCorollaryと契約を結ぶが、このCompaqとの契約に先立つ1997年9月30日に、Corollaryはインテルに買収された。
この時点ではまだCorollaryは株式非上場ということもあり、買収金額などは明らかにされていない。また買収時には、Corollaryはインテルの子会社として会社組織が存続し、CEOには引き続きWhite氏が就くという発表であった。
ではその後どうなったか? 少なくとも1998年1月の時点では、まだCorollaryのページは存続した。
画像の出典は、“Web Archive”
ところが同年3月にCentral Data CorporationがほぼCorollaryの資産全部を買収したことを発表している。
画像の出典は、“Web Archive”
インテルはこれに関してなにも発表しておらず、またCentral Data Corporationも現状がわからなくなっている。同名の会社は2つあり、1つはデータ処理ソフトを開発する会社だが、同社のページはすでにアクセス不能である。
もう1つはUSBなどのデバイスを製造する会社で、こちらは1998年6月にDigi Internationalに買収されてすでに存続していない。おそらくこれらとは別のCentral Data Corporationがあったと思われるのだが、もはや行方不明である。
そしてインテルは早々に同社の資産を売り払ったことで、多くの8Pシステムを構築するOEMベンダーのはしごを外してしまった形になる。
なぜこんなことを、というのはまったくわからないのだが、White氏はこの売却とほぼ同タイミングで辞任し、現在は特許保護サービスを提供するG.White Patentsを運営している。一方Slipson氏はすでに引退し、現在はカリフォルニアのオレンジ郡に在住だそうである。

この連載の記事
-
第827回
PC
オーディオとモデムを普及させるのに一役買ったAMRとACR 消え去ったI/F史 -
第826回
PC
PCIeリリース直前に登場しわずか1年の短命に終わったCSA 消え去ったI/F史 -
第825回
PC
バッファがあふれると性能が低下する爆弾を抱えるもライセンスが無料で広く普及したAGP 消え去ったI/F史 -
第824回
PC
AT互換機が普及するきっかけとなったPCIは、MCAの失敗から生まれた 消え去ったI/F史 -
第823回
PC
Intel 18AはIntel 3と比較して性能/消費電力比が15%向上 インテル CPUロードマップ -
第822回
PC
爆発的に普及したことが逆に寿命を縮める結果になったVL-Bus 消え去ったI/F史 -
第821回
PC
IBMのMCAバスに対抗してAT互換機メーカー9社が共同で開発したEISA 消え去ったI/F史 -
第820回
PC
LEDが半導体の救世主に? チップレット同士の接続を電気信号から光信号へ ISSCC 2025詳報 -
第819回
PC
次期Core UltraシリーズのPanther Lakeは今年後半に量産開始 インテル CPUロードマップ -
第818回
PC
DDRを併用し低価格・低消費電力を実現したAIプロセッサー「SN40L」 ISSCC 2025詳報 -
第817回
PC
実現困難と思われていたUCIe互換のチップレット間インターコネクトをTSMCとAMDが共同で発表 ISSCC 2025詳報 - この連載の一覧へ